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タクシー、今は昔

May 8, 2013A Corporal’s Taxi RideBy VICTOR WASHKEVICHDear Diary:38年間もマンハッタンのミッドタウンで働き続けていれば、タクシーに乗っていて不愉快な思いをしたことも少なくない。そんな時私は目をつぶって、はるか昔のある日の出来事に思いを馳せることにしている。それは1951年の6月のことだった。当時軍隊に所属していた私は久々に休暇を与えられて、マンハッタンの家へ帰る途中だった。軍服姿のまま荷物を抱えてラガー...

Deep Thoughts on the Bus

March 7, 2013Deep Thoughts on the BusBy SHANT SHAHRIGIANDear Diary:バスに乗ると、時に哲学的な気分になるのはなぜだろう。私たちの頭のなかに漂っている思いがラッシュアワーの混みあった車内で押し合いへし合いしているうちに、ついに頭の中から飛び出してくるのだろうか。私は普段は自分の思いをあまり口にだすことはしない。しかし、折りにふれ、公衆の面前でソクラテスも顔負けなことを言う人に出会うことがある。寒さの...

プライド

January 31, 2013A Drummer on the SubwayBy DANIEL WALLENBERGDear Diary:休暇をニューヨークの実家で過ごした。家内と二人で地下鉄に乗ってダウンタウン方面に向かっていたとき、ドラムスティックとバケツを抱えた若いドラマーが我々の乗っている車両に入ってきた。これまでに出会った「バケツ・ドラマー」たちと同様に、彼の演奏は見事なものだった。とはいえ、狭い車両の中で演奏しているわけだから、その音は耳が痛くなるほど...

通勤電車での出会い

January 29, 2013Missed Connection on the R TrainBy JACQUELINE KLAPAKDear Diary:「ドアが閉まります。足元にお気をつけください」次の駅に電車が停まるまでその人のことに気がつかなかった。一人で座席に腰掛けていて、ドミニカ生まれの作家、ジュノ・ディアスのベストセラー小説「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」を読んでいる。「次の停車駅はエルムハースト・アベニューです」『¡Me gusta Junot Díaz también!(私もジュ...

ちょっと変わった出来事

December 24, 2012A Chocolate Hater Offers Holiday CheerBy DANIELLE HADARVictor KerlowDear Diary:12月10日、地下鉄に乗ってマンハッタンに向かっていたとき、ちょっと変わった出来事に出くわしたので紹介しよう。ニューヨーカーたちで混み合う電車の中で、前の乗客の温かみがまだ残る座席に腰掛けることができた。いつものように車内を見渡した。電車の中ではいつも眼のやり場に気を使う。誰かの胃袋とか、股の間とかを見つめ...

October 25, 2012Cooped Up in the SubwayBy SAMINA BAIGDear Diary:ブルックリン・ブリッジの駅で友達と待ち合わせの約束をしたので、ダウンタウン行きの地下鉄6番線に乗りました。116丁目の駅に着いたとき、一羽の鳩がよちよち歩きながら電車の中に入って来ました。私はぼんやりその様子を眺めていました。鳩はスーツにネクタイ姿の男性と作業服姿の男性の間の足元で立ち止まり、そのまま全然まわりのことを気にすることもなくじ...

伝染病

October 5, 2012Response to a Cranky Bus PassengerBy DAVID SCHAUMDear Diary:よく晴れた平日の午後、私はアップタウン行きのバスに乗っていた。バスはこの時間帯の典型的な乗客たちで混み合っていた。老人、子守りさん、フリーランサーと思しき人たちだ。72丁目のあたりまで来た時に、小さな男の子の手をつないだお婆さんがバスに乗ってきた。坊やが乗客の多いのを怖がっているような様子を見せたので、お婆さんはロシア語で優...

結婚指輪

September 13, 2012Checkpoint LeniencyBy ANGIE YANGDear Diary:午後6時35分、ラガーディア空港、セキュリティチェックの行列。サリーを身にまとった婦人が夫と一緒に並んでいた。小さな子供を片腕で抱っこしていて丁寧に靴を脱がせてあげている。さらに自分が身に着けていた貴金属を順番に取り外してトレイにいれた。これで大丈夫という表情を浮かべてそのトレイはベルトコンベアに載せ、子供を抱いたまま金属探知機の方へと歩み...

南京虫(トコジラミ)の生態

September 10, 2012Bedbug Bites ExplainedBy ANITA S. PULIERVictor KerlowDear Diary:8月9日、木曜日、朝8時半、通勤途中のバスの中で:とても蒸し暑い夏の日の朝、バスの中は、シャワーを浴びたばかりのさわやかな香りを漂わせた大勢の通勤客で混み合っていました。そのとき他の乗客同士が交わしていた、ある昆虫学上の会話が耳に入ってきて、私はもう、すぐにでもバスから飛び降りて家に帰って、もう一度シャワーを浴びたい気...

編み物

August 13, 2012A Suspicious Subway RiderBy CELESTE PLOUMISVictor KerlowDear Diary:どこからどう見てもまるで街のチンピラみたいな人でした。すごく怖い顔をしてました。ちょっとした仕草とか、着ている服とか、横を刈り上げててっぺんから伸ばした髪を後ろで編んでいるヘアスタイルなど、もう完璧に恐ろしげです。先月のある日、仕事を終えて家に帰る途中のことでした。編み物をしながら電車に乗っていて、途中の駅で乗ってき...

生きる

August 10, 2012A Nod to an Underground LaborerBy LAURA PEDERSENDear Diary:時:7月30日、正午場所:タイムズ・スクエアの地下鉄駅1番線の線路の脇で大きなドブネズミがエサをあさっている。男その1:「うわっ、おい見ろよ、でっけードブネズミ!」男その2:「それがどうした? 一生懸命生きてるだけじゃねーか」  ...

無神経な乗客

July 20, 2012The Clumsy CommuterBy DAVID DYTEDear Diary:ある日の朝、いつもの通勤電車に乗っていたときのことだった。電車はいつものように混み合っていた。たまたま私の隣に並んで立っていた男が、まあ、周りのことがまるで眼中にないというタイプの、最悪の男だった。何かバッグの中に探し物があるらしく、通路に片膝をついてバッグを大きく広げてごそごそやりだした。ただでさえ混雑している通路の半分以上を占拠した。よう...

地下鉄 R ラインに乗って

July 12, 2012Economics on the R LineBy JUDY NATKINSDear Diary:しばらく前のある日のことでした。クィーンズのジャクソンハイツから地下鉄の R ラインに乗って、マンハッタンに向かいました。席についてしばらくすると、ニューヨークの地下鉄では普通によく見かける、「物売り」の男が大きな声をあげながら後ろの車両から移動してきました。「はーい、皆さん、ルービック・キューブだよ。どうだい、楽しいルービックキューブ、...

閉まるドアにご注意

MAY 3, 2012,Stand Clear of the Closing Doors. No, Really.By MAGGIE ASTORDear Diary:満員のダウンタウン行きの地下鉄に、駆け込み乗車をしてきた女性がいました。ドアが閉まるぎりぎりのところで何とか乗り込んできたんですけど、ハンドバッグがドアに挟まれてしまいました。一生懸命引っ張ってドアから引き抜こうとするのですがうまくいきません。そばの男性が手伝ってあげているんですけど、それでもダメです。大勢の乗客が...

「Go for it!」

Dear Diary:何日か前、ラガーディア空港行きのバスに乗っていた時の出来事です。クィーンズの住宅街の間の通りを走っていると、前方に大型のバンが二重駐車していて先へ進めません。バスの運転手さんが何度もクラクションを鳴らしたのですが、誰も現れてくる様子はありません。思い余った運転手さんはバスを降りてそのバンの持ち主を探しに行きました。1,2分して戻ってきた運転手さんは、私達乗客(皆、大きなスーツケースを抱えて...

忘れないで

Dear Diary:アメリカン航空のシカゴ発ラガーディア空港行きの飛行機が無事滑走路に着陸した。そのとき機内放送で流れたアナウンス:「ご乗客の皆様、当機はただ今定刻より20分早くラガーディア空港へ到着いたしました。将来皆様がお乗りになったアメリカン航空の飛行機が定刻より遅れるようなことがあった場合は、どうぞ今日のことを思い出して下さいますよう、お願い申し上げます」Tom Frenkel...

クリームチーズ

Dear Diary:その日は朝4時に起きました。ラガーディア空港へ行って朝一番の飛行機に乗るためです。ベーグル一個とクリームチーズを持って行くことにしました。空港で買うと高いですからね。ベーグルを切ってクリームチーズを塗る時間が惜しかったので、ほとんど空っぽに近いクリームチーズの容器とプラスティックのナイフ、それにベーグルをまとめて一緒にビニール袋に入れて、そのまま持って行くことにしました。空港で食べる時間...

妻と二人で

Dear Diary:クリスマス前のある日の午前、結婚28年目の妻と二人で、ニューヨークシティ流のダイナー(軽食レストラン)のブランチを済ませて通りに出た。これからコロンバスサークルに出かけてクリスマスプレゼントの買い物だ。ブロードウェイと55番通りの角まで歩いて、タクシーを拾うために立ち止まった。ちょうど一台のタクシーが角を曲ってやってきたので、いつものように難しい顔つきをしてタクシーを呼び止めようとしている...

バスの中で

Dear Diary:何年か前に、私がいとこのポールに書いたEメールをご紹介します。「昨日、バスに乗ってたら、バスの中でズボンを履き替えようとしてしてる男の人がいて驚いたわ。その人は34丁目のバス停から乗ってきて、きちんとした身なりの、一見とてもまともな感じの人だったの。バスの中はすいていて、その人は障害者優先席の椅子に腰掛けた。着ていた革のジャケットを脱いで膝にかけて、その下で着替えを始めたっていうわけ」「バ...

良心が痛むの

Dear Diary: 少し前の金曜日のことでした。JFK国際空港のパリ行きのゲートでセキュリティ・チェックの行列に並びました。厳しくなる一方のセキュリテ・チェックですが、そのときは誰も靴を脱ぐようにとまでは言われていませんでした。その日私が履いていた靴には金属製の飾りが埋め込まれていたので、もしかすると引っかかるかなと心配だったのですが、スキャナーに靴を履いたままかざして、難なく通過できました。ところが私の後...

聖書の教え

Dear Diary:長くて白いあごひげを生やした老人が少し前かがみになりながら電車に乗ってきました。席を譲ってあげなくちゃと思ったのですけれど、老人が声を出して何か言い始めたので様子をみることにしました。「聖書にはこうある、『貧しい人たちは、さいわいである、 天国は彼らのものである』とな!」この老人の言葉を聞いて、少し離れたところに立っていた綺麗な身なりの中年の女性が、不愉快そうに言い返しました。「マタイの...

ウォール・ストリート

Dear Diary:10月のある日、お父さんと私はマンハッタンから家へ帰るのにタクシーを使うことにしました。そのときの父と運転手さんとの間のやりとりです。父: 「ブルックリンまで頼むよ」運転手さん: 「ウォール・ストリートはどうですかね?」父: 「ああ、あれね、僕はデモをやってる連中にも一理あると思うよ。警察官はとにかくちょっとひどいね。それは間違いない。あそこまでやる必要はないんだ。色んな意味で格差が広が...

バス友達

Dear Diary: 西57番通りのアパートメントから42番通りのオフィスまで、毎朝バスで通っていた頃の話です。ある日の朝、とてもチャーミングなお年寄りの女性と隣りあわせて座席に座りました。小柄な身体に長い銀色の髪をして、まるで天使のように愛らしい笑顔で挨拶してくれたのです。つややかに光る淡いピンクの口紅が、これまた素敵だったので、「その口紅、とてもよくお似合いですね」と言うと、「まあ、あなた、私、この口紅と同...

空港のアナウンス

Dear Diary:先月、ロサンジェルスで一週間の休暇をすごしてきました。カリフォルニアの人たちというのは、私たちの産まれ育ったニューヨークに比べて、本当に人懐っこくて、親切な人たちばかりだということに感銘を受けて帰って来ました。一週間という短い間ではありましたけど、私達も最後の方はずい分カリフォルニア流に慣れてきて、ニューヨークのスタイルを忘れかかっていました。でも、そんな心配は無用でした。帰りの飛行機...

線路の上

Dear Diary:8月3日、午前4時14分、ナンバー6電車が125丁目を過ぎたあたりで脱線した。幸いにも乗客はみな無事に避難することができた。この電車はその後丸二日運休してずい分皆に迷惑をかけたものだが、その気持、私には分かるような気がします。多分その電車は、もっと何か別のことをしてみたいと思ったんではないだろうか、何か別のものになってみたいとか。いつもいつもナンバー6電車なので、たまにはナンバー7電車になって...

知恵と偏見

Dear Diary:59丁目の地下鉄の駅のプラットフォームで電車を待っていた時のことでした。買い物袋をたくさん持っていたので、ベンチに腰掛けたかったのですが、ホームレスみたいな人が座っていたので、隣に座る気にはなれませんでした。でもそのうち、やっぱり荷物があんまり重かったので我慢できなくて、そのベンチに腰掛けることにしました。遠くから電車の音が聞こえてくるたびに私は立ち上がって、線路の奥の方に目を凝らして、...

手巻きタバコ

Dear Diary:それは街全体がサウナのように蒸し暑い、ある夏の夜のことでした。仕事を終えて地下鉄に飛び乗ると、その車両だけエアコンが止まっていたので、別の車両に移動して、何とか座席を見つけて座ることができました。ようやく落ち着いて、ふと見ると目の前に立っている女性が、手巻で紙巻たばこをつくろうとしているところでした。ポーチから巻き紙とタバコの葉の袋を取り出して、走る電車の中で立ったまま紙巻たばこを手で...

皆の声援

Dear Diary:家内と二人でバスに乗っていた時のことだ。通路を隔てて向かい側の席に、若い女性が座っていた。肩まであらわになったペザント・ブラウスに、ローライズのジーンズを履いている。足元は素足にサンダルで、おへそが丸見えだ。そして、何やら携帯電話で話をしている。「大丈夫よ。病院には行かなくても大丈夫。 そう、心配しないでいいわ、ちゃんと連絡するから。今、私バスの中なの。ええ、大丈夫よ、心配しないで」そ...

逆立ち

Dear Diary:ブロンクスの高校に4年間、毎日電車で通学しました。朝は7:30、帰りは夕方の4:00です。毎日同じ時刻の電車に乗っていると、それぞれの電車の中でほとんど毎日のように出会う乗客が何人かいることに気がつきます。そんな乗客の中で、毎朝のように出会う一人の男の人のことがずっと気になっていました。その人がホームで電車を待つ様子が、とても変わっていたからです。その人、ホームで逆立ちしながら電車を待つんです...

日光浴

Dear Diary: ロングアイランド鉄道のクイーンズの駅ではここ何日か線路の工事をやっていて、電車が普段とは違うホームへ到着することがある。そんなある日、よく晴れて太陽の光が降り注ぐお昼前のことだった。ペンステーション行きの電車に乗ろうと、いつものホームに向かったら、構内のスピーカーから、次の電車はいつもと反対側のホームへ到着するので、そちらへ移動して下さいというアナウンスがあった。他の乗客たちとともに、...

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