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March 8, 2013Waiting for Radiation Treatment, an InspirationBy E. ANNE LIPMANDear Diary:友人のフランに付き添って「スローンケタリング癌センター」に行ったときのこと。受付を済ませて待合室の冷たい椅子に腰掛けました。前夜の雨の跡が残るほこりだらけの窓ガラスを通して朝日がさし込んでていました。するとそのとき、小柄な年取った老婦人が待合室に入って来ました。白と黒のストライプ柄の、つばの広い帽子を目深にかぶ...
January 22, 2013Carded at Age 77By MORT YOUNGDear Diary:1月2日の誕生日で80歳になった。いつも誕生祝いの席で簡単なスピーチをするのだが、今回は誕生日の数日前に、それにちょうどいい面白い話しを思い出したのでその話をした。それは私がまだ77歳のときに近くのスーパーマーケットに出かけた時の話だ。6本入のビール缶を手にしてレジに向かうと、そばにいた店長がレジの若い女性店員に注意深い視線をやっているのに気がつい...
November 14, 2012Beauty on the BusBy SUSAN HEATHDear Diary:数日前の朝、おとなりにお住まいのルースさんがドアをノックして訪ねてみえられました。彼女は86歳にはとても見えない、ほんとにお綺麗な方です。そのときもいつものようにエレガントなお洋服に完璧なお化粧で輝くような笑顔をしていらっしゃいました。「これ、あなた方の結婚一周年記念にと思って、持ってきたのよ」と言いながら素敵なランのお花と優しいキッスをプ...
November 9, 2012Thank You for Your ServiceBy MILTON KAMENDear Diary:ニューヨーク州議会議員のリズ・クルーガー(民主党)の主催する高齢者向け年次大会に出席してきた。受付の若い女性担当者が、私の書き込んだ生年月日を見て、「もしかすると第二次世界大戦、経験されてます?」と聞いてきた。「ああ、そうさ。第二次世界大戦で三年間、我が陸軍の制服を来たことを誇りに思っておるよ」と答えた。もちろんいつものように、「...
DEAR DIARY:1月の終わり頃、家内と二人でウォルター・リード・シアターに出かけて、ジューイッシュ映画祭の映画を観に行った。窓口に行くともうすでに切符は売り切れと言われた。それでも万が一席が空いて切符が手に入るかもしれないと期待して待つ人の行列が窓口の前にできていた。そうやって並んだ10人前後の人たちの前から数えて四番目に私たち夫婦は並んでいた。そこへ一人の女性が現れて行列に近づいてきた。その女性はあまっ...
Dear Diary:主人と私はお互い学生の時に、ちょうどクリスマス休暇の間を利用して12月21日に結婚式を挙げました。その後「ハネムーン」をマンハッタンの47番通りにあるホテル・エジソンで過ごしたのです。つい最近、家の片付けをしていた時に昔の物をしまってある箱が出てきて、中を開けてみると、その時のホテルのレシートとマッチの空き箱が出てきて驚きました。その晩、主人と一緒に観に行ったブロードウェイのミュージカルの切...
Dear Diary:今からもう50年前の話だ。大学を卒業して就職したばかりの頃で、セントラル・パークの東側の通りにあったオフィスに、毎日車で通っていた。車は近所の駐車場に停めるようにしていたのだが、その駐車場には一人の年寄りの係員がいて、特に何をするわけでもなく、じっと椅子に腰掛けていた。私は毎朝その老人と顔を合わせるたびに、「ハロー」と愛想よく挨拶をしたが、老人はいつも知らん顔で、返事すらしなかった。よほ...
Dear Diary:私の夫、ベンはもう80歳を超えていますが、とてもチャーミングで優しい夫です。ある日ベンと私が歩いてバスの停留所に向かっていると、ずい分手前でバスが追い抜いて行きました。ベンは杖を上げてバスに合図しながら、私に、停留所まで走ってあのバスをつかまえてくれと言いました。停留所に停まったバスは乗客の乗り降りを済ませてドアを閉めてしまいました。そこへようやく私がたどり着くと、運転手さんが気付いて再...
Dear Diary: ブリーカー・ストリートの老舗チーズ・ショップ、マレーズで買い物を済ませて通りを歩き始めたところ、ふと見ると私の前を一人の青年が同じ方向に歩いている。その青年は後ろ姿だけみても、実にカッコいい、引き締まった体つきをしていて、白い下着のシャツ一枚にスポーツウェアのショーツ、足元はスニーカーで耳にはイヤホンをつけて、颯爽と歩いていた。恐らく、これからジムに向かう途中か、それともジムから帰る途...
Dear Diary:キツネにつままれたような気分になった二人の高齢者(そのうちの一人は私自身)の話し。二人は初めてメトロカードを使って地下鉄に乗ろうとしていた。改札口までやってきたものの、どうやってこのカードを使えばいいのかと思案している。ふと見るとそばに警官が立っていた。男は警官に尋ねた。「カードはここに通したらいいんだね? その後、出てきたカードを家内に渡せばいいということかな?」 すると警官は胸を張...
Dear Diary: 昔、同じ職場で働いていた仲の良い女友達5人で食事に出かけました。そのうちの二人は80代、別の二人は70代後半、そしてもう一人一番若い女性はまだ60代ですけど、もうすぐ70歳になります。皆それなりに歳をとっているとはいえ、とても元気で、それぞれ世の中の動きについても現役時代同様、しっかり理解しているし、教養も豊かだと自負している人たちばかりです。昼食をとりながらいつものように楽しくおしゃべりして...
DEAR DIARY:リンカーン・センターにコンサートを聴きに行ったときのことです。演奏が終わって帰り際に、預けたコートを受け取るためクロークに立ち寄りました。すると後ろから年取った男性が近づいて来て、「それ、君のコートかい?」と声をかけてきました。「ええ、もちろん」と返事をすると、「アン・クラインじゃないか、それ?」と言うので、「ええ、元々は母のものだったんですけど」と答えました。 その人は私の顔を覗き込...
Dear Diary: つい先日のことだ。二番街のレストランで昼食を一緒に済ませた後、私と家内のジョイスは腕を組んで56番通りを西に歩いていた。途中に高校の新校舎建築現場があって、その様子を立ち止まって眺めていると、誰かが私の肩を軽く叩いた。振り返ってみると、工事現場用のヘルメットを被った男がにっこり笑顔を見せて立っていた。どうやらこの現場の作業員で昼休み中のところらしい。その男は優しい声でこう言うのだった。「...
Dear Diary: 先月のある日、無事に定年退職した日の次の日、つまり定年後の最初の日の朝のことだ。私はいつもより遅く起きて、ゆっくり身支度をして、散歩に出かけた。すると二人の男の子が(多分、五年生くらいだろう)後ろの方から走ってきた。どうやら学校に遅刻しそうであわてているようだ。四つ角で立ち止まると、背の低い方の男の子が息を切らせながら心配そうに、「ひどく叱られるんじゃないかな・・・」とつぶやいた。しば...
Dear Diary: 先日、ブロードウェイの歩道を歩いていた時のことだ。私は50代の男にふさわしいしっかりとした足取りで、さっさと進んでいた。すると、私の前に、白髪でお年寄りの女性二人がおしゃべりしながら、ゆっくりとしたペースで歩いていた。その老婦人たちの横を通り過ぎて追い越した時、二人のおしゃべりする声が聞こえてきた。そのとき私の琴線に触れた一言がこれだ。「ねえ、覚えてらっしゃる? まだ、ちゃんとものを覚え...
Dear Diary: 私は、ごく普通の、ある年齢に達した女性です。先日、コロンバス・アヴェニューでバスに乗りました。セントラル・パーク西のバス停で似たような年齢に見える男性が乗って来て、たまたま空いていた私の隣りの席に腰掛けました。その男性は席につくなり、「天気予報で言ってたよりもずっと寒いですな」、と話しかけてきました。続けて、「まあ、こんな寒い日は、さっさと用事を片づけて家に帰って、暖かいウィスキー・ト...
DEAR DIARY: おじいさんのフレッドが孫のジョディー(7歳)とアダム(5歳)の二人と手をつないで一緒に歩いていました。孫たちは何かさかんにおじいさんに話しかけていたようですが、とうとうおじいさんのこんな声が聞こえてきました。「すまんな、前にも言ったろ、おじいちゃんはな、動物が人間の言葉を話すような映画には行く気がせんのじゃよ」 Evelyn Malinaーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
Dear Diary:ブロードウェイを横切って東に向かうバスに乗っていたときのことだ。私は窓際の席に座っていて、隣りの通路側の席には若い女性が座っていた。セントラルパーク西のバス停から老人が乗り込んできた。車内は混んでいた。老人は空席を求めてよろよろとおぼつかない足取りで通路を歩いてくる。老人が近くまで来ると、隣りに座っていた若い女性が席を譲るために立ち上がった。老人はお礼を言ってゆっくりとした動作で慎重に...
DEAR DIARY:10月の末だというのにとても天気が良くて小春日和の暖かい日でした。ちょっとした用事を片づけて家に戻る途中、近所のスターバックスで冷たいフラペチーノでもいただきましょうと寄り道しました。ここはよく来るところなので、どこにどういう風に並んで注文したらいいか、ちゃんと知っているのですが、その日はどうしたことか、うっかり間違った列に並んでしまいました。これは困ったことになったわと思っていたら、私...
Dear Diary:先日、久しぶりにメトロポリタン美術館を訪ねた時のことです。私はいつものように受付に行って、オーディオ・ガイド用のイヤホンを借りに行きました。通常は6ドルほどかかるのですが、私のように美術館の協賛会員で、補聴器を使っている人の場合は無料で貸し出してくれるのです。係の人に「イヤホンをお借りするわ。私、少し耳が悪いの。」と言うと、早速貸し出してくれたので、お礼を言って通路の方に向かうおうとしま...
DEAR DIARY:土曜日の午後のこと、セカンド・アヴェニューを歩いていて、74番通りのあたりに近づいたときのことだ。私は年のせいで目が悪くなっていて、明るい太陽の陽射しが苦手だ。ちょうど雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせたので、あわてて右手を額にかざして陽射しが目を射るのを避けた。ちょうどその時、きちんとした身なりで、びしっと背筋を伸ばした老人が通りの反対側から大またで歩いて来て私とすれ違ったところだった。...
Dear Diary:ある日の夕方、人ごみであふれる大通りの交差点で、年老いた女性が私の主人を呼び止めました。彼はその老女が横断歩道を渡るのに手助けを求めているのだと思って、いかにも元ボーイスカウトらしく、笑顔で手を差し伸べました。するとその老婦人は、「あら、違うの、そうじゃないのよ。あなた携帯電話お持ちじゃないかしらと思って」と言いました。 主人は、もちろん持っていますよ、どうぞ使って下さいと言いながら携...
Dear Diary:二年前のある9月の日曜日、私は娘夫婦と一緒に三人で「都市交通の中で自転車の役割を見直す運動」の一環として行われた「センチュリー・ライド」のイベントに参加した。自転車の長距離走のイベントだ。私たちが挑戦したのは100マイルではなくて、75マイルのコースだったが、その日はとても気温が上がって暑い日だったので、アストリア・パークのあたりでちょっと一休みすることにした。公園の木陰のベンチに私と同年く...
DEAR DIARY:その日、ペッパー夫妻は夫のダン・ペッパー氏の84歳の誕生日をお祝いするために二人でお出かけしました。まずリンカン・センターでオペラを観て、その後、妻のバニーさんが選んだレストラン、「ピショリ―ン(Picholine)」でディナーです。とても美味しいお料理を楽しんだ後、「Happy Birthday!」というチョコレートの文字にふちどられたお皿に、デザートのケーキが運ばれてきました。すると隣りのテーブルにいた女性が...
Dear Diary: 97歳になる私の母は、介護サービス付きの施設で暮らしています。母の自慢は毎朝規則正しい生活のルーティンを自分できちんと守り続けていることです。朝はきっかり8時に起きて、一人でシャワーを浴びて着替えます。それから猫に水と餌をやって、ヘルパーさん達のいる階下の食堂へと降りて行くのです。そうそう、階段に向かうその前に、セカンド・アヴェニューに面した窓から通りの様子を眺めることも大事なルーティン...
Dear Diary:毎年私の誕生日が近付くと、カリフォルニアで暮らす92歳の叔母から、バースデイ・カードが送られてきます。いつもそのカードには5ドル札がを挟んであって、「これでワインでも買ってね」と書き添えられているのです。先月、その叔母は生まれて初めて息子と一緒に連れられてニューヨーク旅行にやってきました。こちらで観るもの聞くものすべてがとても珍しくて、驚くことが多かったようです。特にニューヨークの物価には...
Dear Diary: 私も高齢者と呼ばれる年になって久しいのですけれども、まだまだ若い頃に身に付けたマナーは忘れておりません。先日の事、地下鉄に乗って座席に座っていると、杖をついた老紳士が若い女性に手をとられて一緒に乗りこんできました。車内に空いた席は無く、たまたま私の目の前のつり皮につかまりました。私よりは年上であることは疑いの余地はありません。私は迷うことなくその老人に席を譲るため、立ちあがりました。老...
Dear diaryミッドタウンの人ごみの中で、物乞いの人の姿を見かけると、祖父のことを思い出す。あるとき、男が祖父に向かって、クォーター(25セント硬貨)を1枚いただけないかと手を差し伸べた。祖父は立ち止まって、ポケットを探り、ダイム(10セント硬貨)を1枚みつけて、それを男に渡した。すると男は、「いや、おいらはクォーターをって言ったんだよ」と抗議したのだ。私の祖父はそれを聞いて間髪いれずにこう答えたものだ。「...
Dear Diary: 私たち夫婦はどちらも70代です。でも、自分で言うのもおかしいかもしれませんが、いつも二人とも実際の年よりはずっと若く見られるのです。ある日、二人でお芝居を観に行く途中、手をつないで通りを歩いていたら、反対側から、背が高くて黒い髪を長く伸ばした、とてもきれいな女性がやってきました。年の頃は50代くらいでしょうか。私たちに気がつくと明るい笑顔になって、何か話しかけてきそうな表情で近づいてきまし...