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パコール (pakol)

DEAR DIARY:

9番街のスーパーに食料を買いに行ったとき、パコールをかぶった男性がいるのに気がつきました。パコールというのはアフガニスタンやパキスタンなどの人々に愛用されている伝統的帽子で、アル・カイーダによって暗殺されたアフガニスタンの英雄、アハマド・シャー・マスードがいつもかぶっていた、あのトレードマークの帽子のことです。

私の友人の一人がこの帽子をひどく欲しがっていて、あちこち探して手に入れようとしていたのを知っていたので、その男の人に声をかけて、どこで買ったのかを尋ねてみました。すると、「イスラマバードに里帰りした時に買ったもの」という返事だったのですが、もう一つ同じものを持っているので、買い物が終わるまで、ちょっと待ってるようにと言われたのです。

しばらく待っていると買い物を済ませたその男の人がお店から出てきて、すぐそこの家までだからついてくるようにと言うので、一緒に歩き始めました。家の前まで来ると、ここで待っててくれと言って中に入り、丁寧に包装された新品のパコールをもってきて手渡してくれました。私はもちろん代金を支払うつもりでいたので、そのように言うと、「金は要らない」とぶっきら棒な返事が返ってきました。「見知らぬ仲の心意気ってもんだ、何かの縁だからもらっといてくれ」と言うのです。私はうなずいて、御礼を言い、その場を後にしました。

その帽子は、現在、私の友人が愛用しています。

Margaret Jo Shepherd

Massoud2.jpg
パコール帽をかぶったアフガニスタンの英雄、マスード(Ahmad Shah Massoud)

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訳者注:
男性の最後の一言、原文はこうです、「“No money. This is about generosity between strangers.” 」

アハマド・シャー・マスード(1953年ー2001年)、アフガニスタンの軍人、政治家。ソ連によるアフガン侵攻に対抗する武装組織ムジャヒディンのリーダーとして大活躍。「パンジシールの獅子」と呼ばれる。後にタリバンが政権を握ると、これに対抗し、北部同盟のリーダーとして武力闘争を続けた。反ソ、反タリバンの有力リーダーとしてアメリカ政府が手厚く援助サポートしていたが、2001年9月9日(米国同時多発テロの二日前)、アル・カイーダによる自爆テロで暗殺された。死後、アメリカの支援により成立したカルザイ政権によって、「アフガニスタン国家英雄」の称号を贈られる。
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