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魔法のマンドリン

DEAR DIARY:

誕生日プレゼントに、何がいいか、彼女に聞いてみたら、マンドリンが欲しいのだと言う。どういう風の吹きまわしか知らないが、マンドリンを習い始めたいと言うのだ。まあ、特に反対すつもりもなかったので、早速、買ってプレゼントすることにした。彼女のアパートメントに届ける途中、ちょっと寄り道して、友だちと軽く一杯やることにした。買ったばかりのマンドリンを入れたケースを手にして通りを歩いていると、高級アパートメントの玄関に立っているドアマンが、大きな笑顔を見せて、「おーや、これはこれは!音楽家さんのお通りだ!」と親しげに声をかけてきた。

さらに何ブロックか歩いて、ハドソン・ストリートの交差点で信号待ちをしていると、年取った男が近づいてきて、「そいつは、バンジョーかい?」と尋ねた。「いや、マンドリンだよ」と、ちょっと胸を張って応えると、「おぉ、マンドリンか、そいつぁいい!」と大いに感心して、笑顔で歩いて行った。

そんな調子だったので、ホワイト・ホースに着いたときには、すっかりいい気分だった。いつものテラスの席のテーブルの上にマンドリンのケースを置いて、友達とビールを飲んでいると、顔見知りの客が興味深そうに、これまた声をかけてきて、話が弾んだ。

マンドリンのおかげで、本当に楽しいひと時を過ごしていたところ、テラスのテーブルの間を窮屈そうによけながら、大男のグループが入ってきた。ニューヨーク・ジェッツのディフェンス・ラインでもブチ破りそうな連中だ。皆お揃いの「F.D.N.Y.」と大書したTシャツを着ている。すると、その中の一人(スキンヘッドで、ひげを生やしていて、一番でかくて強そうな奴だ!)が、テーブルの上のマンドリン・ケースに気がついて、大きな声をあげた。

「ヘイへーイ、みんな見てみろよー、マンドリンだぜぇ~!」

ひどいロング・アイランド訛りでそう言うと、仲間の連中も一緒にマンドリンを取り囲むように集まってきた。その男は嬉しくてたまらないといった表情で、「おいらはマンドリン得意なんだぜ!ちょっと弾かしてくんねーかい?」と頼んできた。僕は、正直、困ったことになったと思った。このハルクみたいな大男は指一本で、触れた物、何でも壊すことができそうだ。しかし、まあ、ここはマンドリンのもつ魔法の力を信じて、同意することにした。

大男がマンドリンを構えると、マンドリンが本当に小さく見えた。まるで、北極グマが赤ちゃんグマを抱きかかえているような感じなのだ。ほかのお客もみんな見ている。そして演奏が始まって、皆耳を傾けた。大男の仲間も、そして私も。店内の様子が一気に明るくなごやかになった。曲が終わると、ハイ・ファイブを交わし合って見事な演奏を称えた。

僕は思ったね。僕も自分のを一つ買おう。だけど、勘違いしないでくれ。弾くためじゃないんだ。こうやって、持ち歩くためにサ!

Joshua Radoff

whitehorsetavern.jpg


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訳者注:
ホワイト・ホース(White Horse Tavern)はグリニッジ・ヴィレッジにある超有名な老舗バー(開業したのは1880年!)。多くの作家、芸術家、編集者などが集うことで知られていたが、今はニューヨーク大学の学生や、観光客などでにぎわっているようだ。これを見ると結構厳しい評価がついていたりする。
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