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ジョスランの子守唄

DEAR DIARY:

カーネギー・ホールのそばを久しぶりに通って、遠い昔、1957年の、ある日の出来事を思い出しました。そのころ、ちょうどカーネギー・ホールの真向かいの場所に、ジョーという名前のヴァイオリン弾きのストリート・ミュージシャンが一人、毎日いつも同じ場所に立っていました。足元に置いてあるヴァイオリン・ケースの中には、黄色く変色してしまった古い新聞の切り抜きがよく見えるように置いてありました。それは今よりずっと若い頃のジョーが、カーネギー・ホールで、オーケストラをバックに、指揮者と笑顔で握手している写真入りの記事なのでした。

その頃私は舞台女優をやっていて、出演している近くの劇場まで、ちょうどジョーの立っている歩道を通って、かよっていました。ジョーのそばを通るたびに、私は足を停めて、好きなクラシックの曲をリクエストして、聴かせてもらうのを楽しみにしていました。そしていつも見事な演奏にお礼を言って、1ドル札をヴァイオリン・ケースに入れて、また歩き始めるのです。

ある時、後に結婚することになる彼が、久しぶりにデトロイトから出てきた時に、食事をしながら色んなことを話していて、何の気なしに、この話(ジョーの話)も、して聞かせたのです。

次の土曜日のことです。舞台に遅れそうになって、大慌てで、いつもの道を急いでいると、ジョーが私を呼び止めます。今日は急いでいるの!と言ってそのまま通り過ぎようとすると、私の腕をつかまえて、こう言うのです。「君に一曲、弾いてあげなきゃならない曲があるんだ」、舞台に遅れそうだから、といくら言っても腕を放してくれません。「若い男に頼まれたんだよ、今度、君が通りかかったら、君のためにこの曲を弾いてあげてくれ、とね。もう、ちゃんとそのお代もいただいてるんだ」それだけ言うとジョーは私の返事も待たずに、早速演奏を始めました。それはベンジャミン・ゴダールのオペラ、「ジョセリン」の中の有名な「子守唄」でした。実は、私の名前もジョセリンといいます。音楽家の両親がつけてくれた名前です。

フェンシング選手だったバイロンと私はマンハッタンで出会いました。1956年のメルボルン・オリンピックのためのトレーニングでこちらにやってきていた時に出会ったのです。そして1958年に私たちは結婚しました。もちろんここニューヨークで。それ以来、私たち二人にとって、ニューヨークは世界で一番ロマンティックな街であり続けているのです。

Jocelyn Ruth Krieger

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訳者注:
ベンジャミン・ゴダール(Benjamin Godard、1849-1895)、フランスはパリ出身のバイオリニスト、ロマン派の作曲家。「ジョスランの子守唄("Berceuse" from Jocelyn」はその代表作。
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