Dear Diary:
私は最近、ジョギングを始めました。近くのマウント・プロスペクト公園の中に、陸上競技場のトラックのような大きなコースがあるので、そこを走ることにしたのです。ある日、いつものようにそのコースを走っていると、後ろから同じようなペースで走って来る人の気配に気がつきました。私は自分で言うのも変かも知れませんが、とてもフレンドリーな性格なので、いつもそんな時は笑顔で挨拶する事にしています。後ろを振り返ると、走っていたのは、えび茶色のチャドルを着た女性でした。ヴェールはつけていなかったので、彼女が私に笑顔で挨拶を返してくれたことがわかりました。しばらくの間、私たち二人は互いに前に出たり後ろになったりしながら、一緒に並んで走りました。彼女の友人らしい、同じような服装を着た人が笑顔で見守っています。私たち二人も何だかとても愉快な気分になりました。
ここはブルックリンです。あのクラウン・ハイツからそんなに遠く離れたところではありません。公園の中を、色んな宗教や肌の色をした親子が散歩しています。いつか、ここにいるみんなで一緒にジョギングすると、もっともっと楽しいだろうなと思います。何だか、いい方向に向かっていると思えて、嬉しくなりました。
Hilary Salk
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訳者注:
最後の一文、原文はこうです、「I think we’re on the right track.」 これは冒頭の一文、陸上競技場の「トラック」という言葉にかけてあります。
チャドル:主としてイラン人の女性が外出時に身につける伝統的衣裳。
クラウン・ハイツはニューヨーク市ブルックリンの中心部あたりをしめる地区。かつては人口の90%近くが黒人(特にカリブ系移民)で、残りの9%程度がユダヤ人という住民構成で、人種、宗教間の対立が根深く、非常に治安の悪い地区であった。1991年にはついにそのような対立が爆発し、ユダヤ系住民と黒人系住民との間で大きな
暴動事件が起きたことで有名。当時に比べれば、最近はずい分治安も改善してるとのこと。
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