Dear Diary:
1番街にある60丁目のバス停でバスがやってくるのを待っていた時のこです。急行バスは何台か通り過ぎたのですが、私の待っているローカル・バスはなかなかやって来ません。私と同じようにバスを待っている女性がいて、時間通りにやってこないバスについて二人で不平を並べました。いくら待ってもバスは来ないので、とうとう二人ともあきらめて、一緒におしゃべりしながら歩くことにしました。72丁目あたりまで来た時には、私たち見知らぬ同士の二人は古くからのお友達のように親しく会話を交わすようになっていました。そうして、79丁目に差し掛かった頃、その女性のご両親はドイツが国境を封鎖する直前、1939年の8月にハンブルグから出港した最後の船に乗ってアメリカに移住してきたのだということが分かりました。
どうして彼女がそんな話を私に教えてくれたかと言うと、私がその前に私の体験を話したからです。私は私の両親とともに、ドイツが国境を封鎖する直前、1939年の8月に、ハンブルグから出港した最後の船に乗ってアメリカに移住して来たのです。このことを彼女にお話ししたら、彼女はとても驚いて、自分の両親のことを教えてくれたのです。
マンハッタンの短い道のりが、歴史の長い道のりを思い出させてくれました。
Harriet Abramson
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訳者注:
最後の一文、原文はこうです、「A short walk through Manhattan, a long walk through history. 」
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