DEAR DIARY:
土曜日の午後のこと、セカンド・アヴェニューを歩いていて、74番通りのあたりに近づいたときのことだ。私は年のせいで目が悪くなっていて、明るい太陽の陽射しが苦手だ。ちょうど雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせたので、あわてて右手を額にかざして陽射しが目を射るのを避けた。
ちょうどその時、きちんとした身なりで、びしっと背筋を伸ばした老人が通りの反対側から大またで歩いて来て私とすれ違ったところだった。するとその男は(老人ではあるが、私よりは若く見えた)さっと素早く振り返って敬礼し、「センパーファーイ!(海兵隊の標語)」と大きな声をあげた。陽射しを避けるために上げた私の右手を、敬礼だと勘違いしたようだ。第二次世界大戦を戦った元軍人として、私は微苦笑を禁じえなかった。そして脈々と流れる海兵隊の伝統に改めて思いをはせた。
海兵隊には「一度でも海兵隊員となったならば、いつでもどんなときでもずっと海兵隊の仲間だ」というモットーがある。たとえ退役して何十年も経った者同士が、アッパー・イースト・サイドの歩道ですれ違ったときでも!
Milton Kamen
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訳者注:
「センパーファーイ」は海兵隊の標語。ラテン語の"Semper fidelis"、英語ではAlways faithful。直訳すれば「常に忠誠を」となり、通常口語体では Semper Fi! (センパーファーイ!)と言う。
最後の一文、原文はこうです、「“Once a marine, always a marine, even on the streets of the Upper East Side.”」
「Once a Marine, Always a Marine」というのは海兵隊のモットーのひとつで、「一度海兵隊に入隊したなら、除隊しようとも一生『海兵隊員』としての『誇り』を失わず、アメリカ国民の模範たれ」という意味。
参考:ウィキペディア
「海兵隊」
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