Dear Diary:
ブロードウェイを横切って東に向かうバスに乗っていたときのことだ。私は窓際の席に座っていて、隣りの通路側の席には若い女性が座っていた。セントラルパーク西のバス停から老人が乗り込んできた。車内は混んでいた。老人は空席を求めてよろよろとおぼつかない足取りで通路を歩いてくる。老人が近くまで来ると、隣りに座っていた若い女性が席を譲るために立ち上がった。老人はお礼を言ってゆっくりとした動作で慎重に私の隣りに腰かけた。ようやく落ち着くと深いため息を一つついて私の方に向き直って、こう言った。
「こうして年をとってくると、『弱弱しいお年寄りのフリ』をするのが、益々簡単になってくるもんだな」
Milton Kamen
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