Dear Diary:
1月のある晩のこと、私は七番街でバスを待つ長い行列に並んでいました。列の先頭は歩行器につかまって立っているお年寄りの男性です。しばらくするとバスがやってきましたけれど、バス停からかなり離れたところで停まったので、歩行器のおじいさんはずい分苦労してやっとバスの乗り口までたどりつきました。運転手さんが身体の不自由な人のための乗車用リフトを降ろしてくれたので、おじいさんは歩行器と一緒にそれに乗らなければなりません。そのとき後ろに並んでいた若い女性が、手伝いましょうかと申し出て、おじいさんは喜んでその女性の手を借りて、無事、リフトの上に乗ることができました。おじいさんは女性に向かって丁重にお礼を言うと、今度はバスの運転手さんに向かって大きな声で話しかけました。「この素敵なお嬢さんをわしと一緒にリフトで上にあげてくれんか、ほんとにいい娘さんなんだよ!」
驚いたのはそのお嬢さんです。あわててバスの運転手さんの方を見ると、大きくうなづいています。「ええ? いいんですか、ほんとに?!」運転手さんの許可を得て、恐る恐る、おじいさんと一緒に並んでリフトでバスに乗り込んで行きました。その女性と一緒に列に並んでいた背の高い男性が、リフトが上がって行くのを見送りながら、「彼女、夜中の12時までには家に帰すようにしてほしいんですけど!」と叫んだので、後ろに並んでいた人たちはみんな大笑いでした。
Barbara Laufer
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