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想い出のヤンキースタジアム

Dear Diary:

旧ヤンキースタジアムで試合が行われる最後の年(2008年)に球場を訪れたときのことだ。その日私は子供の頃から長く慣れ親しんだ想い出深い球場に、時間をかけてゆっくりと別れを告げたいと思っていた。窓口でチケットを買って、まっすぐ場内に入った。いつもならそのまま自分のシートを探しに向かうところだがその日は違った。私は、この球場の中を、とにかくすみからすみまで歩き回って、見納めをしておきたかったのだ。立ち入り禁止になっているところ以外はすべて、できる限りたくさんこの目で見て、記憶の中に留めておきたかったのだ。

一階席から二階席へ、右翼のファウル・ポールから、左翼のファウル・ポールへ、途中で何度か冷たいビールを買うために立ち止まりながら、ずっと歩いてまわった。ちょうど左翼スタンドの端の出口通路の中ほどで、ホーム・プレートを真っ直ぐに見通せる絶好の場所があったので、そこに立ち止まってながめていると、突然、警備員に注意された。通路で試合を観るのは禁止だ、早く移動しろ、席に戻れ、というのだ。

もちろん私はそんな決まりは知っている。その若い警備員が産まれる前から知っている。しかし、そのときは、恐らくビールの勢いもあったかもしれないが、自分の気持ちを抑えきれなかった。私はあくまで落ち着いて、丁寧に、警備員に尋ねてみた。

「まことに申し訳ないんだがね、君、私は『ここ』に、もう50年も前から通ってるんだ。今は、カリフォルニアに住んでいるのでね、多分、私にとって今日が、『ここ』に来る最後の日になるはずだ。だから、あと1分でいいから、もう少しこうやって、ここにいさせてくれないかね?」

警備員は上体を前に傾けて、例のニューヨーク式の、疑い深そうな目つきで、真正面から私の顔を覗き込んだ。結論を出すまでに大した時間はかからないだろうと思われた。すると警備員はおもむろに人差指と中指を揃えたピストルスタイルの右手を私の胸に向かって突き出して、吠えるような口調でこう言った。

「2分だ、いいな、2分間だ!」

こうして、私の要求よりも2倍の時間をもらうことができたのはとても有難いことだった。もちろん私は、2分後ぴったりに、その場を離れたのである。

Jeff Mansfield

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訳者注:
旧ヤンキースタジアム: 開場、1923年4月18日、閉場、2008年9月21日
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