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カナリア

DEAR DIARY:

それはある春の日の土曜日の午後、ニューヨーク・シティは快晴に恵まれて、イースト・リバーを渡る風が心地よい。妻のマリアと私は友人夫婦と連れだって、川沿いの遊歩道を散歩していた。もう30年の付き合いになる友人のフレッドは獣医だ。私はフレッドの奥さんシンシアと世間話をしながら、先になって歩いていた。ゆるやかなカーブを曲がったところで、20歳くらいに見える若い女性に出くわした。ボーイフレンドと思われる青年と一緒にいたのだが、彼女は今にも泣きだしそうな様子だった。すると驚いたことに、突然彼女が「力を貸してもらえませんか?」と私に声をかけてきたのだ。これは、まあ若い恋人同士の間のちょっとしたもめごとかなと思って、一体どうしたのかと聞いてみた。

「この木の上を見て下さい。カナリアが一羽とまっているんです。ほら、あそこ、あの上、 彼が助けてあげようとしたんですけど、どうしても届かないんです!」、その女性はこう訴えるのだ。

彼女が指さした木の上を見ると、3メートルほどの高さのところに確かにカナリアがいた。彼女は続けて、「多分、どこかのアパートメントの窓から飛んで来ちゃったと思うんです」と言った。イースト・リバー沿いには高層アパートメントがいくつも建ち並んでいる。この場所から見える窓の数はと言えば、500か1000か、想像もつかない。 「これは私にはどうしようもないね」と私は肩をすくめて言った後、「だけど友達の獣医が一緒だから、何か知恵があるかもしれない。彼に聞いてみることにしよう」とつけ加えた。

ちょうどそのとき、フレッドと私の家内がカーブを曲がってやってきた。フレッドはじっくり耳を傾けて事情を聞いた。この若い女性はあのカナリアの無事が確認されない限りその場を離れないと決心しているのじゃないかと思えるほど心配しているのだ。彼女の話をすべて聞き終わるとフレッドは言った。

「見てご覧、あのたくさんの窓、きっと確かにあのたくさんの窓のうちのどれか一つから、このカナリアはここへやってきたんだろうな。今は午後三時だね。後、三時間もすれば日が沈み始める。そうすると何が起こるか分かるかい? 信じられない事かも知れないが、このカナリアは自分が逃げ出してきた、まさにその窓へ向かって、ここから飛び立って行くんだ。」 

女性はそれを聞いて本当に安心したようだった。我々みんなにお礼を言って、晴れ晴れとした笑顔を見せて、ボーイフレンドともに去って行った。我々四人も再び散歩を続けた。少し歩いた後、私はフレッドに尋ねてみた、「さっきの話なんだけどね、あれは、どうなんだい? ただ彼女をなだめるために言ったことなのかい?」 フレッドは、「いや、とんでもない。れっきとした事実さ」と答えた。

James A. Warth
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