Dear Diary:
私の義理の父はベネズエラ人だ。もう何年も前の話しになるが、あるとき、その義父が、ニューヨークに住んでいる、やはりベネズエラ人の友人を訪ねて、カラカス(ベネズエラの首都)から飛行機に乗ってやってきた。義父の友人はプラシドという名前で、義父と再会したとき、たまたま仕事でテキサスのダラスに行って帰ってきたばかりのところだった。ダラスで買ったばかりのカウボーイ・ブーツと、
ステットソンの立派なテンガロン・ハットを身につけて久しぶりに義父と再会を果たしたのだ。二人が連れ立って、五番街を歩いていた時、大柄なテキサス人が、大きな声をあげて呼び止めた。「よう、おチビさんよ!」、男はプラシドのテンガロンハットに手を伸ばして取り上げると、それをくるりと反対向きに回してプラシドの頭に載せ直した。そして、「後ろ向きにかぶっちゃ、いかんわな」と言い残すと大股で立ち去って行った。
我が家に着くとプラシドは、すぐにそのテンガロン・ハットを義父にあげてしまった。
Bruce Polatnick
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