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穴あけドリル

昨夜のニュースでNHKが行った内閣支持率に関する世論調査の結果を報じていた。「NHKが行った世論調査によりますと、菅内閣を『支持する』と答えた人は16%で、先月の調査より9ポイント下がり、おととしの政権交代以降、最も低くなりました。」 この支持率ではもうほんとに先は長くないのだろう。

ただ、備忘録として一つだけ記録しておきたい。玄海原発の再起動(再稼働? 一体どっち?)についての一連の流れについてだ。

・6月18日に海江田大臣は「安全宣言」を出して、玄海原発再起動にGOサインを出した。

・その根拠になったのが、同日、経産省傘下の原子力安全・保安院が発表した調査報告書だ。「福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の原子力発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施状況の確認結果について」

・この報告書では、福島原発の事故を受けて「各電気事業者に対し、津波により全交流電源の喪失を想定した緊急安全対策の実施」を指示し、その結果を厳格に確認したところ、「シビアアクシデントへの対応に関する措置は、適切に実施されているものと評価する。」という結論を下している。

つまり、保安院によると、必要な緊急対策が実施されていることが確認できた。だから安全、ということだった。海江田大臣はこれをうけて、再起動OK!と言ったのだ。

ところが、その調査報告書の中身を見ると驚くべきことが書いてある。この報告書が出た後、一読してみたところ、案の定、素人の私などにはよく分からないことが色々書いてある。しかし、一ヶ所だけ、これは明らかにおかしいだろう! と腰が抜けそうになるほど驚いたところがある。

それは、調査報告書6ページの「水素爆発防止対策」のところだ。今回福島原発で我々は水素爆発の恐ろしさを目の当たりにしたわけだが、このような水素爆発が起きないようにするための対策がこれだ、

「全ての交流電源が喪失した時において、炉心損傷等により発生した水素が原子炉建屋内に漏れ出した場合、原子炉建屋内への多量の水素の滞留を防止するため、原子炉建屋屋上に穴あけにより排気口を設けること」

つまりこういうシナリオだ。全交流電源喪失⇒炉心損傷⇒水素発生⇒原子炉建屋内に水素ガス充満⇒水素爆発の危機⇒爆発を避けるために原子炉建屋の屋上に穴をあける⇒水素がその穴から排出される⇒建屋内の圧力低下⇒水素爆発の危機回避成功!!





で、どうやって建屋の屋上に穴をあけるかというと、こうだ。

ドリル
「報告書」別添1の4ページ

これは上記のシナリオに沿った訓練中の写真だという。作業員さんが持っているのは穴あけ用のドリルだ。このドリルを使って作業員さんが、建屋の屋上に穴をあけるというのだ。 全電源喪失して、炉心損傷が起こって、水素ガスが原子炉建屋内に充満して、水素爆発の危険性が高まった時に、だ!!

作業員さんはどうやって建屋の屋上に登るのか? この電気ドリル、小さくないか? 電源は電池か? 作業員さん、大丈夫なのか? 危険じゃないのか? うまく穴があいたとして、そこから出てくる水素ガスの勢いとか、放射線濃度とか心配しなくていいのか? 福島第一原発にこの小さな電動ドリルが備えてあれば、そして迅速果敢に、命じられるまま、建屋の屋上で穴あけ作業を実行する作業員さんがいてくれたら、そして穴あけに成功していたら、あの水素爆発は起こらなかったというのか? 冗談じゃない。 これ、無理だろ!! あり得ない!! 

海江田さん、いくらなんでもこれは通らないだろ。いや、通しちゃだめだろ。経産省や保安院の役人がこんなもの持ってきたら、突き返さなきゃ駄目だろ。海江田大臣は「こんな子供騙しで俺が、世間が、納得するとでも思ってるのか!!」と怒鳴り声を上げるべきだったのだ。

しかし、実際には、海江田大臣はこの調査報告書を粛々と受け入れて承認した上、自ら佐賀県に出向いて、安全宣言と再起動要請を行ったのである。これには驚いた。

ところが、海江田大臣以上に驚かせてくれたのが菅総理だ。いきなりこれをひっくり返したのだから。海江田大臣のメンツ丸つぶれとか、梯子を外されて怒り心頭とか、色々言われている。手続き的には法令に則って役所のシナリオ通りに動いた海江田大臣の方に落ち度がなく、それを突如ひっくり返した菅総理の方がおかしいのだという。しかし、もう一度上記の保安院の報告書を見て欲しい。一番大事なのは3・11の経験を踏まえて、本当に「ヨリ安全な」対策がきちんととられたのかどうか、ということだろう。その一番大事な点についての保安院の調査報告書の中身がこんなものだという時点で、安全対策は充分にとられたという、再起動要請の前提が当初から崩壊しているではないか。

それにしても怖いのは、今回、菅さんがちゃぶ台返しの荒業を行使しなかったら、この話は粛々と前に進んでいて、玄海は予定通り再起動への道を歩んでいただろうということ。

総理のお仕事は多岐にわたるものであって、その評価も多面的になされるべきものではある。一事を挙げてどうこう言うべきものではないのかもしれない。すべてないまぜにして総合評価の結果が内閣支持率16% ということであるのなら、それも仕方あるまい。あの鳩山政権ですら末期で20%を下回らなかったというのだから。ただ、この玄海原発再起動騒動の中で起きた、菅総理の「ちゃぶ台返し」の荒業については、決してスマートなやり方ではなかったけれど、勇気ある決断だったと私は高く評価している。原子力安全保安院の「穴あけドリル」報告書とともに、記憶に留めておきたいと思っている。

暑い夏が始まります。炉心の冷却も大事ですが、頭の冷却も大事だなあと、自戒を込めて・・・。
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