Dear Diary:
ブリーカー・ストリートの老舗チーズ・ショップ、
マレーズで買い物を済ませて通りを歩き始めたところ、ふと見ると私の前を一人の青年が同じ方向に歩いている。その青年は後ろ姿だけみても、実にカッコいい、引き締まった体つきをしていて、白い下着のシャツ一枚にスポーツウェアのショーツ、足元はスニーカーで耳にはイヤホンをつけて、颯爽と歩いていた。
恐らく、これからジムに向かう途中か、それともジムから帰る途中のどちらかだろうと思われた。青年の後ろを歩きながら私はつらつら考えた。一体どうして自分は、この青年のような身長も、引き締まった身体も持ち合わせていないのか、ああ、もちろんあの若さもだ・・・。
そうこうしていると、青年の向こうから一人の老人がゆっくりと、アルミ製の歩行器の助けを借りながら、こちらの方へ歩いて来る姿が目に入った。老人は青年の姿に目をとめると顔を上げて、立ち止まった。青年を指さして、抜け歯の目立つ口をあけて、笑顔で、「1959年、1959年だ!」と言った。青年がイヤホンを片方、耳から外して、老人の方に向き直ったのは、老人がいかにも嬉しそうな様子だったからだろう。青年はゆっくり老人の方へ近づいて腰を低くして、改めて耳を傾けた。老人は青年の反応に喜びを隠さず、さらに大きな声でこう言った、「わしもな、1959年頃にはな、ちょうどお前さんみたいに、かっこよったもんじゃよ!」
Stuart Bernstein


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訳者注:
この青年、一体どんな風にカッコいいんでしょうか。想像がつかない方は、是非、こちらをご覧になってください。「ニューヨークの遊び方」ブログ、
「ニューヨークのイケメン君たちに会えるお店」
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