DEAR DIARY:
しばらく前に、フロリダまで車で旅行したときのことだ。途中、ノースカロライナのガソリンスタンドに立ち寄って、ついでに隣りの食料品店で飲み物を買うことにした。ドアを開けて店内に一歩足を踏み入れると、店員が声を揃えて、「いらっしゃいませ!」と声をあげた。店員みんなからの愛想のいいこの挨拶にはちょっと驚いた。何と応えていいのか分からなくて、とりあえず笑顔だけ返して、ミネラル・ウォーターの棚に向かった。ボトルを一本手にしてレジに向かうと、レジの女性がにこにこしながら、「お客様、お名前は?」 と聞くので、「モイセス」と答えると、またスタッフみんなで、「モイセスさん、こんにちは!」と声を揃えた。これにはまいった。 そこへ、お店の店長さんらしき中年の女性が近づいて来て、店のスタッフに向かってこう言った。「まあ、あなたたち、このお客さんのこと、驚かせちゃだめじゃないの。こちら、ニューヨークから来てる人だっていうのがわからないの?」
私は何と言ったらいいのか分からなかった。とりあえず店長さんに、どうして僕がニューヨークから来たということが分かったのかと尋ねてみた。すると、彼女はにっこり笑いながら、「ええ、それはね、長年、このお店で色んな旅行者を見てるとね、その人がどこから来たかというのが、大体分かってくるものなのよ。あなたがお店に入って来て、うちのスタッフがとっても愛想よく挨拶したとき、あなた、何だかびっくりして、怖がったようにしてたでしょ。」 私は確かにそうだったとうなづいた。すると彼女は私の手を握って、「いい?」と念を押しながらこう続けた、「ニューヨーカーだけなのよ。人が愛想よく挨拶してきた時に怖がったりするのは」
Moises Batista


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訳者注:
最後のセリフ、原文はこうです、「''Only New Yorkers get scared when people are friendly to them.'' 」
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