DEAR DIARY:
私の特技は「指笛」だ。自分で言うのも何だが、二本の指を口にあてて、耳をつんざくような、近所の窓ガラスを揺らすような、なかなかすごい音をだすことができる。この特技は、人と車の喧騒に包まれた街、ニューヨークでは、案外役に立つことがある。
先日、マディソン・アヴェニューを歩いていたとき、とても魅力的な若い女性が、なんとかタクシーを拾おうとして苦労している姿が目に止まった。彼女の必死のアピールにもかかわらず、何台かのタクシーが気づかずに通り過ぎて行った。そこへ、また一台空車がやってきたので、私は自分の中でも「Aクラス」にランクしているとびきり大きな音の指笛をならして、運転手に合図した。もちろん運転手はこちらに気がついた。そこで私は若い女性が立っている方を指さしてやった。運転手は私の意を察してそのまま彼女の目の前に車をつけた。彼女はドアを開けてタクシーに乗り込んだ。
この若い女性は私の存在はもちろん、私がこうやって手助けしたということも何もしらない。しかし、タクシーの運転手は、私の方を振り返り、軽くうなづきながらウィンクして、車を発進させたのだった。
Neal Pilson


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訳者注:
この指笛、原文ではこう表現されています、「a two-finger, ear-shattering, window-rattling whistle.」 確かにすごい指笛のようですね。
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