Dear Diary:
家内と二人でアリゾナから飛行機に乗ってニューヨークへ降り立った。そのままマンハッタンに直行して不動産会社のエージェントと会った。いくつか物件を見せてもらった後、57丁目と八番街の交差点の歩道に立ち止まって、見てきた物件のことやその価格などについて真剣に話し合っていた。
そこへホームレスのような身なりをした男が近づいてきた。男は我々に向かって、「今夜のロブスター・ディナー用のお金をもらえんかね」と言ってきた。我々は無視してアパートメントのことについて話し続けた。「今夜のロブスター・ディナー用のお金をもらえんかね」 男は少し大きな声で繰り返した。もちろん今度も無視して応えなかった。するとその男はさらに近づいてきて、我々がこれまで聞き逃したとでも思っているのか、今度はゆっくりと、よく聞き取れる声で、また同じ言葉を繰り返した、「今夜のロブスター・ディナー用のお金をもらえんかね!」
ここに至ってついに、かつて、ブルックリンで産まれ育った私の血が呼び覚まされた。こう言い返してやった。「一体どういうつもりだ。ハンバーガーじゃ足りないってのか!?」
すると男はぐっと背筋を伸ばし、胸を張って、一語づつはっきりと発音しながらこう言った。「質問には、きちんと、答えるもんだ!」
この街、ニューヨークでは、誰もが自分のスタイルというのを持っている・・・。
Alex Barbanell



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訳者注:
最後の一行、原文はこうです、「In New York, everyone has an attitude.」
さて、ここでアレックスさん、このホームレス氏に対して最後は一体どのように対応したのでしょうか?
まず威儀を正してきっぱり「No」 と答え、何か気の利いたセリフと共にいくらかお金を渡したのではないかと私は想像します。もちろん実際のところは分かりませんが。いずれにしても高価なロブスターディナーのお値段と比べれば、ポケットの中の小銭なんて安く見える。ホームレス氏の、そんな心理作戦が功を奏したのではないかと思います。
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