Dear Diary:
何年も前の話だが、コネチカット州の自宅から、ジョン・F・ケネディー空港まで家内を送って降ろした後、その帰り道のことだ。車に乗っているのは中学生の息子と私の二人になったので、ちょっと寄り道してマンハッタン見物でもしようということになった。まず最初に、「プラネット・ハリウッド」で息子のお気に入りのデザートを食べさせてやることにした。そうしてマンハッタンに入ったのはいいが、プラネット・ハリウッドまでの道がよく分からない。たまたま信号待ちをしているときに、隣にタクシーが並んで停まったので、その運転手に聞いてみることにした。ドアの窓を下げて大声で道順を尋ねた。
すると運転手は笑顔を見せながら、車の窓から手を伸ばし、「3ドルだ!」と言うのだった。これには驚いた。道順を教えて欲しければ3ドルよこせというのだ。 私は、「3ドルだって!! 訪問客を歓迎するって気持ちが、ひとかけらもないってことかい!?」と言い返した。そのとき、そのタクシーの後ろのドアの窓から、中に座っていた上品な身なりの女性がわざわざ身を乗り出して、大きな声で、こう言った。 「そこを右に曲ったら、次に57番通りを左に曲って。そうしてそのまままっすぐ行くの。そうすれば右側にあるわ!」
私は女性にお礼を言った。そして運転手に向かってにやりと笑顔を見せてやった。そしてそのあと、息子に向かって、「分かるか? 今のこそ、」 と声をかけた、「ニューヨーク体験ってやつだ!」
Gary Michaels


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訳者注:
最後のお父さんの一言、原文はこうです、「''That,'' I said, ''was a New York moment.'' 」
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