Dear Diary:
私はニューヨーク大学の構内にある売店で店員をしています。先月、新学年の登録手続きが始まったとき、新入生の男子とその父親の二人連れが入って来ました。万引き防止のために店内に入る時はバッグやかばんを受付に預けることになっているので、そのように伝えたたら、父親はとても驚いたような顔をして、「本気かい? うちの地元じゃそんなこと要求する店なんて一件もないよ」と言いました。
これはきっとずい分遠方からやってきたんだと思って、「どちらにお住まいなんですか?」と尋ねると、意外なことに、ニュージャージーに住んでいる、という答えが返ってきました。マンハッタンとはハドソン川を隔てて向こう岸のニュージャージーが、「ニューヨークとそんなに違いがあるとは思っていませんでした」と言うと、「いや、そりゃあずい分違うさ。近所にクマだって出てくるんだ!」と教えてくれました。
しばらくして買い物を済ませた二人が預けたバッグを受け取りに戻ってきました。バッグを受け取ってお店を出る時に、父親が息子さんに真顔で言ってきかせている言葉が耳に入りました。
「ジョン、いいか、これからは、まるで別世界で暮らすっていうことだからな」
Olga Hughes


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訳者注:
父親の最後の一言、原文はこうです、「“John, you’re in a whole new world.”」
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