Dear Diary:
1月のある日、夫のトムと一緒にニュージャージーのバーゲン郡からマンハッタンへと出かけました。Museo del Barrio(ラテン系の芸術文化会館)で、「東方の三博士の日」のお祝いをやっていたのでそれを見に行ったのです。帰りのバスに乗ってメトロポリタン美術館の前あたりまで来ると、渋滞につかまってバスがのろのろ運転になり、とうとうピタリととまって動かなくなりました。そうしているとすぐそばの歩道に屋台を構えたホットドッグ屋さんがコーラの缶を一本手にしてバスのドアを叩いたのです。運転手さんがなにごとかと思って自動ドアを開けると、屋台のおじさん、運転手さんに向かってこのコーラあげるよと言ってしきりにすすめるのです。
運転手さんはこの申し出にとても驚いたようですが、有り難う、でも結構です、と笑いながら御礼を言って断りました。ところが屋台のおじさんは納得しません。遠慮するこたあない、とさらに強くすすめたので、とうとう運転手さんも根負けしてそのコーラを受け取りました。するとおじさんは、「う~ん、そうだな」と言いながら運転手さんの顔をまじまじとながめると、「ホットドッグもつけてやるから持ってけよ。お前さん、腹減ってんだろ」と言うのです。こうして、感謝の言葉と交換でほかほかのホットドッグが差し入れられました。
バスはそのまま何ごともなかったかのように進み始めました。バスの後ろで待たされていた車も、クラクション一つ鳴らさないで辛抱強く見守ってくれていました。何だかとても嬉しくなるような気分でしたよ。
Katherine Flattery

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