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ナイトトレイン

June 8, 2012
His Night Train and His Dog
By MARSHALL ARISMAN

wino.jpg

Dear Diary:

昔と違って、アッパーイーストサイドの街角では昼間から飲んだくれている酔っ払いは見かけなくなった。代わりによく目にするのはジョギング姿の金融マンや、子犬を抱いて散歩する女性の姿だ。かつてよく見かけた酔っ払いの中でとくに懐かしく思い出されるのは、いつもビルという名前の犬と一緒にいた男のことだ。

1970年代の頃、町の酔っ払いの定番は「ナイト・トレイン」という名前の低級ワインを買ってひたすら飲み続けることだった。もっともらしいブドウ酒味をつけて砂糖とアルコールがたっぷり入ったこの代物は、80年代にはあのロックバンドのガンズ・アンド・ローゼズがとりあげるほど、大いに流行っていたものだ。何しろ安かった。当時一本1.5ドルだった。

私の知っているその酔っ払いは愛犬ビルを連れて102番通りの酒屋に入って行き、茶色の紙袋に入れた「ナイト・トレイン」を手にして店から出てくるのを常としていた。そのまま通りを横切ってブロードウェイのベンチに腰掛ける。昼近くになると瓶を手にしたまま、うつらうつらと居眠りをし始める。するとベンチの横におとなしく座っていたビルが、まるでよく訓練されたサーカス犬のように、ベンチに上って瓶を口にくわえて男の手から預かるのだ。そのうち目を覚ますと男はビルの口から瓶を取り戻し、ビルをやさしく撫でまわして、また飲み始めるのだった。

少し前のある日、今はもう経営者が代わってしまったその酒屋へ行ったときに、今でもアル中の酔っ払いが「ナイト・トレイン」を買いにくることがあるかいと聞いてみた。すると今でも一人か二人毎日やってくるそんな客がいるということだった。しかし、「ナイト・トレイン」という酒は聞いたこともないそうだ。

じゃあ、そういう連中は一体どんな酒を買うんだね、と聞いてみると、「そうですね、あなたが今買ったワインと似たようなものですよ」という返事だった。

そのとき私が手にしていたのは11・99ドルのピノ・グリージョだった。

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訳者中:
「低級ワイン」は原文では「bum wine」、これは人工的に風味やアルコールを調整して仕立てあげた低級安ワインのこと。「ナイト・トレイン」はガロ社の「bum wine」。カリフォルニアワインの代表的生産者として知られる「E. & J. Gallo Winery」はもともとこのジャンルの安ワインの大手メーカーとして発展してきた。

ピノ・グリージョはピノ・ノワールの突然変異種で酸味の少ない芳醇な白ワインとして知られている。

Nightrain.jpg
ガンズ・アンド・ローゼズのアルバムジャケット

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