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心臓外科医の想い出

December 12, 2012
Saving a Life at the Stage Deli
By LAWRENCE I. BONCHEK, M.D.

STAGE-blog480.jpg
Hiroko Masuike/The New York Times
7番街の「ステージ・デリ」。名物は中身のたっぷりつまったサンドウィッチ。多くのニューヨーカーに惜しまれながら75年の幕を閉じた。

Dear Diary:

ステージ・デリが閉店するというニュースに接して、心臓外科医である私は、1975年に開かれた「米国胸部外科学会」の年次大会のときのことを思い出した。

マンハッタン育ちの私は、その日の昼食を、やはり心臓外科医の友人と二人でステージ・デリでとることにしたのだ。ちょうどライ麦パンのパストラミサンドをほおばったそのとき、私たちのとなりのテーブルの老人が、ゆっくりと椅子からくずれおちた。向かいに座っていた奥さんは仰天して声をあげた。もちろん9/11のはるか前のことで、AEDや、緊急救護員の体制など何もない頃の話だ。私と友人はその男性を床に寝かせて心肺機能蘇生術(CPR)を施した。救急車が呼ばれ、我々二人も(食べかけのサンドウィッチを残したまま)一緒にそれに乗りこんで病院につくまでの間、懸命にCPRを続けた。

緊急治療室に到着するとただちに必要な治療を施して、男性の心臓は無事に回復した。

男性はカリフォルニアからの旅行客だった。まったく運のいいことに、二人の心臓外科医がいる目の前で倒れたのだった。その後男性はすっかり回復し、11年間元気に暮らすことができた。奥さんが毎年グリーティング・カードを贈ってくれて、知らせてくれたのだ。

あとは病院にまかせて安心してステージ・デリに戻った。いきさつを知っているお客さんも何人か残っていて結果を聞くと一緒に喜んだ。テレビカメラのクルーまで来ていて、このエピソードはその晩のローカル・ニュースでも取り上げられた。ステージ・デリの大きな宣伝になったと思う。食べかけのサンドウィッチにかわって、新しいサンドウィッチが我々のテーブルに届けられた。大層丁重に扱われていると、一瞬誇らしく思った。

しかし出口の横のキャッシャーで、現実を思い知らされた。この世の中には「タダの昼メシ」なんてものはない。少なくともこのニューヨークにはないのだ。我々がオファーされたのは50%のディスカウントだった。

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訳者注:
「タダの昼メシ」というのはもちろん「free lunch」のこと。「There ain't no such thing as a free lunch」という成句として使われます。

本来意味するところは、「かつて酒場で、『飲みに来た客には昼食を無料で振る舞う』という宣伝が行われたが、『無料の昼食』の代金は酒代に含まれていて実際には『無料の昼食』などというものはない」というところからきています。

日本流に言えば、「タダほど高いものはない」に近いくらいの意味です。日本ではノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ミルトン・フリードマンが有名にした言葉と言ってもいいでしょう。


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