January 24, 2013
A Memorable Concert
By SAM HIMMELSTEINDear Diary:
12月の末のある日のこと、仕事に疲れ果ててタクシーで帰ることにした。タクシーの運転手は20代の若者だった。しばらく乗っているとその運転手が突然大きな声で歌を歌い始めた。ちょっと普通ではない感じがしたので、iPhoneのイヤホンを外して、なんでまたそんなに大きな声で歌ってんだいと聞いてみた。
男はクィーンズカレッジに通っていて会計学を専攻しており、ちょうど今日、すべての単位が無事に取得できたという通知を受け取ったところなのだそうだ。これで専門を活かした新しい道が開けるということで、いかにも嬉しそうだった。
「それは素晴らしいことだ。ところで君はどこから来たんだね」と尋ねると、バングラデシュだという。どういう事情でどういう苦労を重ねてアメリカへ移住してきたかという感慨深い話を聞かせてもらった後、「ところで君、『バングラデシュ・コンサート』というのを知っているかい?」と聞いてみた。1971年にマジソンスクェアガーデンで行われた、あの伝説的ロック・チャリティ・コンサートのことだ。
その答えは驚くべきものだった。彼によると、自分は1984年生まれで、そのコンサートの13年後に生まれたわけなのだが、もちろんそのコンサートのことはよく知っている。なぜなら、バングラデシュでは毎年必ずそのコンサートのドキュメンタリー番組を放送しているからだという。もちろんそのコンサートを主催したのがジョージ・ハリスンとラビ・シャンカールだったということもよく知っていた。
「私はね、そのコンサート、実際に聴きに行ったんだよ。友だちと一緒に、前の晩徹夜してチケットを手に入れてね。」と教えると、大いに感動したようだった。目的地についてタクシーを降りる時、彼は私の方に手を伸ばして力強く握手しながら、「あのコンサートに参加していただいて、本当に有難うございました!」と言った。
わかるかい、あれはこれまで私が聴きに行ったコンサートの中で、一番感動したコンサートなんだ。それなのに彼は私がそれに参加したことに対して、お礼を言ってくれたのだ。

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「バングラデシュ・コンサート」は、1971年8月1日、マジソン・スクェア・ガーデンで開催されたバングラデシュ難民救済のためのチャリティ・コンサート。ジョージ・ハリスンとラビ・シャンカールが中心になり、様々なアーチストの賛同を得て実現した。
主な参加アーチスト
・ジョージ・ハリスン
・リンゴ・スター
・ボブ・ディラン
・エリック・クラプトン
・レオン・ラッセル
などなど・・・
コンサートは昼夜二回にわたって行われ、合計4万人の観客が参加し、大成功を収めたという。
ジョージ・ハリスンとバングラデシュ・コンサートに参加したすべての人々の魂は現在でも受け継がれています。
UNICEFのサイトを御覧ください
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