March 7, 2013
Deep Thoughts on the Bus
By SHANT SHAHRIGIANDear Diary:
バスに乗ると、時に哲学的な気分になるのはなぜだろう。私たちの頭のなかに漂っている思いがラッシュアワーの混みあった車内で押し合いへし合いしているうちに、ついに頭の中から飛び出してくるのだろうか。
私は普段は自分の思いをあまり口にだすことはしない。しかし、折りにふれ、公衆の面前でソクラテスも顔負けなことを言う人に出会うことがある。
寒さの厳しいある日の夕暮れ、クィーンズを走るバスの中、小太りでおしゃべり好きな中年の女性が誰彼かまわずそばに居る乗客に話しかけていた。「今夜のゴールデン・グローブ賞、誰か観る・・・?」 他の殆どの乗客同様、私は目をそらした。
すると突然その女性は大きな笑い声を立て始めた。自分の言ったことに自分で大笑いしているようだ。ずい分突拍子もないことなので、彼女の隣に居た人が、何がそんなに可笑しいの?と尋ねたほどだ。
「えっ、なに? みんなの前で笑っちゃいけないの?」
「いえ、そういうわけじゃなくて、ただ、何がそんなに愉快なのかなと思って・・・。」
「どうしてみんな、人が笑ってる時にはその訳を知りたがって、一緒に笑おうとするのかしら? 人が泣いてる時には誰もそばに近寄ろうともしないのに!」
今やもっと注意深く彼女の言葉に耳を傾けていた乗客の多くが(私自身も含む)、肩をすくめた。その日以来私は何日も寒い夜に同じバスの中で、彼女の言葉を思い出し、思いを巡らせた。
- 関連記事
-
コメントの投稿