February 28, 2013
Guns and the Pulpit
By ALESSANDRA LONGODear Diary:
ハーレムにあるファースト・コリンシアン・バプティスト教会の礼拝堂。説教壇に立つ牧師は額から汗を流しながら熱心に説教を続けていました。礼拝堂に並ぶ長椅子は信徒で埋め尽くされています。牧師の熱烈な言葉に応じて、あちこちで感謝の言葉が聞こえます。生きていることの幸せ。この日、ここに皆で集まることのできた幸せ。この日集うことのできたすべての人々、そしてそれに続くすべての人々にとって、特別な一日。
そんな雰囲気が一変したのは突然のことでした。感謝の言葉や「アーメン」という声のさざめきに代わって沈黙が訪れました。牧師が皆に向かってこう言ったのです。「お集まりの皆さんのうち、愛する者を銃による被害で失ったことのある人は、どうぞ前へ、この説教壇の前までお越しなさい。」
集まった信徒のうち半分ほどが立ち上がり、前へ進みました。
私は座ったままでした。この会衆の中で私はほんの一握りの白人の一人。右隣に座っていた友人は8歳の息子をきつく抱きしめました。彼女にとってその子は全世界そのもの。でも、世界にとっては、その子はどこにでもいる小さな黒人の一人。怖ろしい統計数字との境界で不安に暮らしているようなもの。私の友人は今日は立ち上がって説教壇に向かう必要はなかったけれど、明日はどうか、何の保証もない。この男の子の将来、そしてこのコミュニティの将来は、この町のどこか違う場所で決められてしまう・・・。
左隣りへ目をやると長椅子は端まですっかり空席になっていました。ついさっきまでそこにはずらりと人が並んで座っていたのです。私は胸が締め付けられるような思いで床に敷き詰められた真紅のベルベットをながめました。いったいどうすれば皆の意見が一致する方法を見つけることができるのでしょうか、ここに集まった私たちのうちの半分が、身近にそんなつらい経験をしているというのに。
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