April 16, 2013
Proust at the Morgan Library
By TOM HUGHES
Marilynn K. Yee/The New York Times: Clare Eddy Thaw Gallery of the Morgan Library & Museum.
Dear Diary:
場所:
モルガン図書館&博物館の特別展示場。マルセル・プルーストの全七巻からなる代表作「失われた時を求めて」の第一巻「スワン家の方へ」の出版100周年を記念して、直筆原稿などを含めた特別展示が行われている。
展示場はとても静かで、隣で見学している人たちの会話が耳に入るのは避けられない。展示場へ一組の夫婦が入ってきた。少しとまどい気味の妻の手を引いた夫が、大股で勢い良く進んで来る。
学生ノートに記されたプルーストの手書き原稿の前で立ち止まり、熱心にのぞきこむ(この人はプルーストの大ファンに違いない)
夫:「うーん、これはすごい!!」
妻:「それで、プルーストって、何がすごいんでしたっけ?」
夫:「長いんだよ。とにかく長い小説なんだ」

プルースト自筆ノート(落書きも)「スワン家の方へ」の一部

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訳者注:
マルセル・プルーストは20世紀初頭に活躍したフランスの小説家。その代表作はもちろん「失われた時を求めて」です。この小説の第一巻「スワン家の方へ」が出版されたのが1913年。今からちょうど100年前でした。プルーストはその後も死ぬまで延々とこの長編小説を書き続け、最後の第七巻が出版されたのは、プルーストの死後5年めの1927年のことでした。
たとえこの本を読んだことはなくても、ある日プチット・マドレーヌを紅茶に浸して口に入れた途端、思いがけず遠い昔の記憶が蘇るというエピソードは有名なのでご存じの方も多いでしょう。

何しろ本当に長い小説なので果たしてどれだけの人が全巻通読したでしょう。かく言う私も若いころ全巻購入して今でも書棚に置いてありますが、途中で挫折したままです。。。
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